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論文

抗酸化物質エダラボンによる活性酸素除去およびDNA酸化損傷の化学的修復

端 邦樹; Lin, M.*; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 山下 真一*; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*

放射線化学(インターネット), (103), p.29 - 34, 2017/04

エダラボン(3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン)は高い抗酸化作用を示す物質である。本研究では、$${}^{bullet}$$OHやN$$^{bullet}$$$$_{3}$$等の酸化性ラジカルとエダラボンとの反応をパルスラジオリシス法によって測定し、発生するエダラボンラジカルの生成挙動を観察した。その結果、$${}^{bullet}$$OH以外の酸化性ラジカルとの反応は電子移動反応であるが、$${}^{bullet}$$OHとは付加体を形成することが分かった。また、DNAのモノマーであるdeoxyguanosine monophosphate(dGMP)の一電子酸化型のラジカルとの反応についても調べたところ、電子移動反応によって非常に効率よくdGMPラジカルを還元することが示された。エダラボンを添加したプラスミドDNA水溶液への$$gamma$$線照射実験によって、実際のDNA上に発生したラジカルの除去効果を調べたところ、塩基損傷の前駆体に対してエダラボンが作用することが示された。これらの結果は、生体内においてエダラボンが酸化性ラジカルの捕捉作用だけでなく、ラジカルによって酸化されたDNAを化学的に修復する作用も示すことを示唆するものである。

論文

Radioactivity decontamination in and around school facilities in Fukushima

三枝 純; 田川 明広; 操上 広志; 飯島 和毅; 吉川 英樹; 時澤 孝之; 中山 真一; 石田 順一郎

Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.15-00609_1 - 15-00609_7, 2016/06

福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は福島県内の学校施設を効果的に除染するための方法を構築するため各種の除染実証試験((1)校庭の線量低減対策、(2)遊泳用プール水の浄化、(3)遊具表面の除染)を実施した。これらの除染実証試験を通して、(1)校庭の線量低減対策では、校庭の表土を剥ぎ取り深さ1mのトレンチに埋設することで線量を大幅に低減できること、(2)遊泳用プール水の浄化では、水中の放射性セシウムを回収するために凝集沈殿法が有効であること、(3)遊具表面の除染では、鉄棒や砂場の木枠といった遊具に対する除染効果は遊具の材質や塗装の条件により大きく依存すること、等の知見を得た。本稿では、これらの除染実証試験についてレビューする。

論文

Influence of pH, competing ions, and salinity on the sorption of strontium and cobalt onto biogenic hydroxyapatite

Handley-Sidhu, S.*; Mullan, T. K.*; Grail, Q.*; Albadarneh, M.*; 大貫 敏彦; Macaskie, L. E.*

Scientific Reports (Internet), 6, p.23361_1 - 23361_8, 2016/03

 被引用回数:59 パーセンタイル:87.49(Multidisciplinary Sciences)

微生物起源アパタイトは、Sr$$^{2+}$$およびCo$$^{2+}$$の吸着において、非生物的に合成したアパタイトよりも優れた性能を示した。微生物起源アパタイトの有する非晶質のCaリン酸塩の表面が、その原因である。したがって、生物起源アパタイトは、汚染地下水の浄化材料として優れている。

論文

Radioactivity decontamination in and around school facilities in Fukushima

三枝 純; 田川 明広; 操上 広志; 飯島 和毅; 吉川 英樹; 時澤 孝之; 中山 真一; 石田 順一郎

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05

福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は福島県内の学校施設を効果的に除染するための方法を構築するため各種の除染実証試験((1)校庭の線量低減対策、(2)遊泳用プール水の浄化、(3)遊具表面の除染)を実施した。これらの除染実証試験を通して、(1)校庭の線量低減対策では、校庭の表土を剥ぎ取り深さ1mのトレンチに埋設することで線量を大幅に低減できること、(2)遊泳用プール水の浄化では、水中の放射性セシウムを回収するために凝集沈殿法が有効であること、(3)遊具表面の除染では、鉄棒や砂場の木枠といった遊具に対する除染効果は遊具の材質や塗装の条件により大きく依存すること、等の知見を得た。本稿では、これらの除染実証試験についてレビューする。

論文

Role of DNA repair and effect of herbal extract on LOH induced by ion beam radiations in ${it Saccharomyces cerevisiae}$

布柴 達男*; 山内 理子*; 岩田 梨佳*; 佐藤 勝也; 大野 豊; 鳴海 一成*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 124, 2015/03

The LOH (loss of heterozygosity) induction by various ion beam radiations was investigated in diploid ${it Saccharomyces cerevisiae}$. The ion beams $$^{12}$$C$$^{5+}$$, $$^{12}$$C$$^{6+}$$, $$^{4}$$He$$^{2+}$$ and $$^{40}$$Ar$$^{13+}$$ at the lowest dose of 37.5 Gy, which had $$sim$$10% lethality, induced LOH with $$sim$$5$-fold higher frequency, with dose-dependent manner until 150 Gy. The LOH induction was predominantly ($sim$$90%) resulted from homologous recombination. Pol$$zeta$$ may be involved in the induction of LOH by ion beam radiations, because in the strain lacking Rev3, only slight induction of LOH was observed, whereas no remarkable effect of deletion for Pol$$zeta$$ was observed on ion beam induced LOH. In addition, the effects of ${it Eucalyptus regnans}$ extracts were examined on iron-beam radiation induced LOH, and ethanol extract of ${it Eucalyptus regnans}$ possessed inhibitory effect on LOH induced by $$^{12}$$C$$^{6+}$$, $$^{4}$$He$$^{2+}$$ and $$^{40}$$Ar$$^{13+}$$ion-beam radiation.

論文

Nonhomologous end-joining repair plays a more important role than homologous recombination repair in defining radiosensitivity after exposure to high-LET radiation

高橋 昭久*; 久保 誠*; Ma, H.*; 中川 彰子*; 吉田 由香里*; 磯野 真由*; 金井 達明*; 大野 達也*; 古澤 佳也*; 舟山 知夫; et al.

Radiation Research, 182(3), p.338 - 344, 2014/09

 被引用回数:57 パーセンタイル:90.66(Biology)

DNA二本鎖切断(DSB)は相同組換え(HR)と非相同末端結合(NHEJ)により修復される。重粒子線治療における放射線増感剤の標的候補を明らかにすることを目的とした。がん抑制遺伝子p53欠損マウス胚線維芽細胞由来の野生型細胞, HR修復欠損細胞, NHEJ修復欠損細胞,二重修復欠損細胞を用いた。各細胞にX線,炭素線,鉄線,ネオン線,アルゴン線を照射し、コロニー形成法で生存率を調べた。10%生存率線量値(D10値)を用いて、増感比は(野生型細胞のD10値)/(修復欠損細胞のD10値)の式で算出した。D10値はいずれの線質においても、野生型細胞$$>$$HR修復欠損細胞$$>$$NHEJ修復欠損細胞$$>$$二重修復欠損細胞の順に低くなった。HR修復欠損による増感比はLET無関係に一定で約2であった。一方、NHEJ修復欠損の増感比はLETが高くなるに従い減少するものの、HR修復欠損よりも高い増感効果を示した。高LET放射線の高RBEの要因はNHEJ修復の抑制と誤修復であり、炭素線における増感剤の主要な標的候補はNHEJ修復であることが示唆された。

論文

Characterization of pathways dependent on the ${it uvsE}$, ${it uvrA1}$ or ${it uvrA2}$ gene product for UV resistance in ${it Deinococcus radiodurans}$

田中 将志*; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 菊地 正博; 渡辺 宏*; 松永 司*; 二階堂 修*; 山本 和夫*

Journal of Bacteriology, 187(11), p.3693 - 3697, 2005/06

 被引用回数:47 パーセンタイル:62.27(Microbiology)

放射線抵抗性細菌は紫外線耐性に関与するDNA修復遺伝子${it uvsE}$, ${it uvrA1}$, ${it uvrA2}$遺伝子を持っている。これらの遺伝子破壊株を作成し、紫外線によるDNA損傷の修復にかかわる遺伝子の機能を解析した。その結果、これらの遺伝子は紫外線による突然変異誘発には関与していないこと,${it uvrA2}$遺伝子は紫外線耐性にあまり関与していないこと,${it uvsE}$遺伝子はシクロブタン型ピリミジンダイマーと6-4光産物の紫外線誘発DNA損傷の除去にかかわっていること,${it uvrA1}$遺伝子はおもに6-4光産物の除去のみに働くことなどがわかった。また、3種類の遺伝子を全て欠損させた破壊株でも、紫外線損傷DNAの除去活性が完全には失われていないことから、未知のDNA損傷除去機構の存在が示唆された。おそらく、この未知機構の一部は、DNA組換え修復機構によっていると考えられた。

論文

Radiation response mechanisms of the extremely radioresistant bacterium ${it Deinococcus radiodurans}$

小林 泰彦; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 舟山 知夫; 菊地 正博; 北山 滋; 渡辺 宏*

宇宙生物科学, 18(3), p.134 - 135, 2004/11

1994年に行われた第2次国際微小重力実験室IML-2(STS-65)では、あらかじめ地上で高線量の$$gamma$$線を照射してDNAに損傷を与えた放射線抵抗性細菌${it D. radiodurans}$をスペースシャトル・コロンビアに搭載し、放射線障害からの回復反応が宇宙環境下では地上より促進される現象を見いだした。それに続く1996年のS/MM-4(STS-91)と1998年のS/MM-9(STS-91)では、放射線損傷を有する${it D. radiodurans}$細胞における新規DNA修復系蛋白質PprAの誘導合成の促進が、宇宙環境下での放射線障害からの回復促進現象に関連していることが示唆された。これらの宇宙実験の結果を振り返るとともに、その後の原研・高崎研における${it D. radiodurans}$のDNA修復機構に関与する遺伝子・蛋白質の解析研究の進展ぶりを紹介する。

論文

Light dependency of resistance to ionizing radiation in ${it Euglena gracilis}$

林 浩孝; 鳴海 一成; 和田 成一; 菊地 正博; 古田 雅一*; 上原 赫*; 渡辺 宏*

Journal of Plant Physiology, 161(10), p.1101 - 1106, 2004/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:23.18(Plant Sciences)

ミドリムシの野生株及びクロロプラスト欠損変異株の電離放射線に対する耐性を調査した。$$gamma$$線照射後のコロニー形成能は、クロロプラスト欠損変異株に比べて野生株の方が高かった。また、両株において、光培養した細胞の方が、暗培養した細胞よりも放射線に耐性であった。このことは、ミドリムシの放射線耐性に培養時の光照射条件が大きく寄与していることを示唆している。暗培養した細胞に比べて、光培養した細胞の方が、より高いDNA2本鎖切断修復能を有していることがコメットアッセイによって明らかになった。これらの結果は、ミドリムシがDNA2本鎖切断を克服するため、光に誘導される修復機構を持っていることを示唆している。

論文

The Structure of ${it D. radiodurans}$

Battista, J. R.*; Cox, M. M.*; Daly, M. J.*; 鳴海 一成; Radman, M.*; Sommer, S.*

Science, 302(24), p.567 - 568, 2003/10

デイノコッカス・ラジオデュランスの細胞内核様体がドーナツ状構造をとり、この構造が放射線抵抗性とかかわりがあるとする論文がScienceの1月号に掲載された。しかし、この論文の結論は電子顕微鏡による切片の観察のみをもとに構築されたものであり、他の実験的証拠に乏しく、しかも未だ同定されていない「正確なDNA末端再結合によるDNA2本鎖修復」に関する彼らの仮説は、過去の実験的データを誤解して解釈したものを拠り所にしている。細胞中のゲノムコピー数に関しても、過去の実験データを無視して議論しており、彼らの仮説と研究結果は受け入れ難い。細胞内DNAの構造とDNA修復との関係を調べることは重要であるという認識は一致するところであり、より実りの多い遺伝学や分子生物学的実験と相補しながら、研究をさらに進めることが必要である。

論文

ラジオデュランス; 放射線抵抗性細菌

鳴海 一成

放射線と地球環境; 生態系への影響を考える, p.113 - 122, 2003/09

生物の中でも最も放射線に強い細菌群が知られており、放射線抵抗性細菌と総称される。放射線抵抗性細菌の放射線耐性機構に関する研究は、最も早く分離されたデイノコッカス・ラジオデュランス(${it Deinococcus radiodurans}$)を材料としておもに行われている。本稿では、ラジオデュランスの放射線耐性の主要機構であるDNA修復機構についての研究を紹介するとともに、ラジオデュランスの放射線耐性獲得の起源について考察する。

論文

放射線耐性菌の耐性機構

鳴海 一成

遺伝, 57(5), p.57 - 62, 2003/09

現在の地球には強い放射線を放出する自然環境が存在しないにもかかわらず、放射線に高い耐性を持つ微生物が地球上のいたるところに生息している。$$gamma$$線やX線といった電離放射線を照射すると、細胞中のDNAが切断される。DNAの鎖切断は、遺伝情報の分断を引き起こすので、一般な生物にとって最も重篤な損傷であるとともに、最も修復困難な損傷である。しかしながら、放射線耐性菌は、細胞内に生じた100箇所以上のDNA鎖切断を、いとも簡単に短時間で修復してしまうのである。1999年に、放射線耐性菌の代表であるデイノコッカス・ラジオデュランスの全ゲノム配列が解読され、放射線耐性機構の研究はポストゲノム時代に突入した。本稿では、放射線耐性菌の発見と耐性機構解明研究の歴史と現状について概説するとともに、放射線耐性獲得の起源についての仮説を紹介する。

論文

Unlocking radiation resistance mechanisms; Still a long way to go

鳴海 一成

Trends in Microbiology, 11(9), p.422 - 425, 2003/09

 被引用回数:51 パーセンタイル:89.9(Biochemistry & Molecular Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析と、電子顕微鏡観察による核様体の特異的形態変化についての発見が、最近トップジャーナルで相次いで報告された。これらの研究は、デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線耐性機構の解明に進展をもたらしたが、この細菌がなぜ放射線に強いのかについて、より詳細な実験的証拠をもとにした説明が必要なのであろうか?実りの多い遺伝学的並びに生化学的アプローチによるさらなる研究が、放射線抵抗性細菌のDNA修復機構についてのより深い理解のために必要である。

論文

PprI: A General switch responsible for extreme radioresistance of ${it Deinococcus radiodurans}$

Hua, Y.*; 鳴海 一成; Gao, G.*; Tian, B.*; 佐藤 勝也; 北山 滋; Shen, B.*

Biochemical and Biophysical Research Communications, 306(2), p.354 - 360, 2003/06

 被引用回数:151 パーセンタイル:95.72(Biochemistry & Molecular Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線高感受性変異株の解析から、DNAの修復と損傷防御機構を担う主要スイッチタンパク質PprIを同定した。放射線高感受性変異株では、この遺伝子がトランスポゾンの挿入によって機能を失っていた。この遺伝子を完全に破壊すると放射線感受性が増大し、野生型遺伝子を導入すると放射線耐性が復帰した。放射線照射に伴い、PprIは${it recA}$遺伝子及び${it pprA}$遺伝子の発現を誘導するとともに、カタラーゼ活性をも助長した。これらの結果は、PprIタンパク質が、放射線応答におけるDNAの修復と防御の調節機構に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。

論文

放射線抵抗性細菌の故郷を求めて

鳴海 一成

Science & Technology Journal, 12(5), p.50 - 51, 2003/05

原研高崎研では、放射線抵抗性細菌のDNA修復のメカニズムの解明研究を行っており、正常株から分離された放射線感受性変異株の変異遺伝子を分子遺伝学的に解析している。変異株解析からわかったことは、ラジオデュランスが既存のDNA修復機構を持ちつつ、独自のDNA修復機構をも兼ね備えているということであった。ゲノム解析から見いだされた機能未知遺伝子の中にも、やはり新規のDNA修復遺伝子があったのである。原研では、ラジオデュランスの優れたDNA修復機構を解明する研究と並行して、得られた研究成果を活用して、遺伝子工学用試薬の開発、低線量域での放射線生物影響の解析、DNA損傷の軽減化、放射性金属の捕集などへの応用研究をも始めている。放射線抵抗性細菌の進化的起源を考察すると、放射線抵抗性細菌はオクロウラン鉱床のような天然原子炉の近くで生まれたのではないかとも考えられる。放射線抵抗性細菌とその近縁の微生物のDNA修復機構を調べていくことで、DNA修復の起源と進化について、より深い考察ができると思われる。

論文

Cloning of structural gene of ${it Deinococcus radiodurans}$ UV-endonuclease $$beta$$

北山 滋; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 渡辺 宏

Bioscience Biotechnology and Biochemistry, 67(3), p.613 - 616, 2003/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:13.19(Biochemistry & Molecular Biology)

放射線抵抗性細菌の紫外線損傷DNAの修復に関わるUVエンドヌクレアーゼ0$$beta$$の酵素活性を解析するために、遺伝子のクローニングを行い、DNA塩基配列を決定した。紫外線感受性変異株では、この遺伝子に1塩基変異が起こっていた。UVエンドヌクレアーゼ$$beta$$遺伝子産物のアミノ酸配列は、${it uvrA}$遺伝子産物であるUVエンドヌクレアーゼ$$alpha$$とは異なり、真核生物由来のUVエンドヌクレアーゼ(UVDE)の配列や枯草菌タンパク質データベースに存在する配列と相同性があった。UVエンドヌクレアーゼ$$beta$$は、UVエンドヌクレアーゼ$$alpha$$と異なり、DNA分子内架橋損傷を修復することはできず、紫外線損傷DNAの修復に特異的に働く酵素であると考えられた。

論文

拡大するバイオ研究への放射線利用

渡辺 宏

バイオサイエンスとインダストリー, 61(2), p.53 - 56, 2003/02

X線の発見と原子炉で作られる放射性同位元素がトレーサーとして、その後のバイオ研究に多大な貢献を果たしてきた歴史的事実から、バイオ研究における放射線利用の意義を明示するとともに、今後新たな進展が期待されるイオンビーム利用と中性子利用を中心として、原研が世界に先駆けて進めている先端的な各種バイオ研究への取組みの現状と主要な成果を紹介する。紹介した研究は、イオンビーム突然変異研究,マイクロビーム研究,DNA修復遺伝子解析研究,ボジトロンイメージング技術,中性子構造解析研究,放射光DNA損傷解析研究,DNA損傷と修復機構のシミュレーション解析研究などである。

論文

放射線法における殺滅菌効果

渡辺 宏

防菌防黴誌, 30(10), p.683 - 690, 2002/10

放射線による殺滅菌効果は、微生物の種類や各種照射条件などによって変化する。それら微生物の放射線感受性を修飾する要因について、その基本的反応を解説するとともに、複雑に変化する感受性を統一的に理解するためには、DNAの損傷とその修復機構の理解が必要であることを述べる。特に実用的観点から問題となる細菌胞子の放射線抵抗性について、抵抗性の原因と抵抗性になるメカニズムについて解説した。本稿は「講座: 放射線殺滅菌技術」の連載の一環として、微生物の放射線感受性の基本的原理を解説したものである。

論文

Effect of hydration on the induction of strand breaks and base lesions in plasmid DNA films by $$gamma$$-radiation

横谷 明徳; Cunniffe, S. M. T.*; O'Neill, P.*

Journal of the American Chemical Society, 124(30), p.8859 - 8866, 2002/07

 被引用回数:87 パーセンタイル:87.7(Chemistry, Multidisciplinary)

$$gamma$$線照射されたプラスミドDNAフィルム中のDNA鎖切断(SSb及びDSB)と塩基損傷の収率を、DNA単位長あたりの水和水量の関数として測定した。塩基損傷は、大腸菌由来の塩基除去修復酵素(NthとFpg)を作用させ、glycosyl活性及びAPlyace活性により生じるSSbとして検出した。水和水の制御は、相対湿度をコントロールしたチェンバー中に15時間,5$$^{circ}C$$に保持することで行った。得られたDNAのコンフォメーションは、アガロースゲル電気泳動により解析した。その結果、(1)鎖切断よりもむしろ塩基損傷の収率の方が、水和水の量に依存して増加すること。(2)OHラジカルは生成したとしても鎖切断には寄与しないこと(3)extraなDSBが水和水量とともに増加することから、クラスター化した損傷が、直接効果として生じることが、明らかにされた。

論文

Molecular dynamics simulation of 7,8-dihydro-8-oxoguanine DNA

石田 恒

Journal of Biomolecular Structure and Dynamics, 19(5), p.839 - 851, 2002/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:26.31(Biochemistry & Molecular Biology)

DNAのグアニン酸化損傷の影響を調べるために、正常なDNAであるd(CGCGAATTCGCG)$$_{2}$$とその酸化的損傷DNAであるd(CGCG$$^{*}$$AATTCGCG)(CGCGAATTCGCG),(G$$^{*}$$:7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)の分子動力学シミュレーションを1ナノ秒間、実行した。これは静電相互作用を効率的かつ高精度に計算する高速多重極子展開法(FMM)を用いた高精度シミュレーションである。シミュレーションの結果、8-oxoG付近で正常DNAには見られない新しい水素結合が生成されるのが見つかり、そしてこれが損傷DNAの構造を安定化させていることがわかった。また主鎖角$$varepsilon-zeta$$がB$$_{II}$$構造,グリコシド結合角$$delta$$がhigh-${it anti}$構造,ヘリカルTwistが緩んだ構造をとることもわかった。更に、主成分解析により8-oxoG付近の水和状態の変化が損傷DNAの構造遷移のきっかけとして働いていることが示唆された。以上により、損傷DNA修復酵素は正常DNAと損傷DNAの静的構造及び動的構造の違いを認識していると考えられる。

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